主催: (一社)日本調理科学会
会議名: 2021年大会(一社)日本調理科学会
開催地: 実践女子大学 日野キャンパス
開催日: 2021/09/07 - 2021/09/08
【目的】食の安全の観点から、食品の高温加熱により生成される遺伝毒性発がん物質アクリルアミド(AAm)の低減化が求められている。また2型糖尿病患者増加により、食品の血糖値上昇抑制作用に対する関心が高まっている。一方、朝食の欠食者増加も問題になる中、市場では手軽に摂取できるグラノーラが人気である。本研究では予防医学的視点から、低温域での揚げ物が可能な真空フライにより、AAmを含まず、摂取後の血糖値上昇を抑え、嗜好性の高い大麦グラノーラ(BG)の調製を試みた。
【方法】特別に圧偏した六条大麦ファイバースノウの押し麦(豊橋糧食(株)、厚み0.96 mm)を材料とし、業務用真空フライヤー((株)アトラステクノサービス)を用いた。AAmは依頼分析した。血糖値測定は、血糖自己測定器(メディセーフフィット、テルモ(株))を用いた。被験者に試験食として真空フライBG 55.0 gを、対照食として包装米飯(サトウ食品(株))88.5 g(いずれも糖質30g相当)を水150 mlとともに摂取させた。官能評価では、パネルに真空フライBGを7段階評点法などで評価させた。
【結果・考察】押し麦350 gを水637 mlに一晩浸漬後冷凍したものを、100℃、35分間真空フライした。同じ押し麦をオーブンで焼成したBGにはAAmが検出されたが、真空フライBGでは定量下限値(0.02 ppm)未満であった。真空フライBGは米飯に比べて食後血糖値上昇を有意に抑制した(n=10)。大麦β-グルカン(4.7%含有)などが分解されることなく生理機能が保持されたと推察される。官能評価では「硬さ」「噛みごたえ」「脂っこさ」「総合評価」で普通〜やや好ましいと評価された(n=19)。グラノーラ以外の用途も考えられた。