日本調理科学会大会研究発表要旨集
2022年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: P-1
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ポスター発表
小麦粉・レジスタントスターチ混合系の物性,レジスタントスターチ量に及ぼす加熱温度の影響
*島田 良子玉田 真友美香椎 霞吉村 美紀
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抄録

【目的】レジスタントスターチ(RS)は生活習慣病予防に寄与する機能性成分として注目されており,RSを主食に混合することで習慣的に摂取量を増加させることが可能となると考えられる。本研究では,麺類のモデルとして,特性の異なるRSを混合した小麦粉水分散ゲル(RS混合ゲル)の加熱温度を変えて調製し,物性とRS量を検討した。

【方法】小麦粉は,薄力粉,強力粉を1:1で混合した。RSは,ハイアミロースコーンスターチ(HACS),リン酸架橋タピオカデンプン(XLTS),高置換ヒドロキシプロピル化リン酸架橋タピオカデンプン(HHTS),低置換ヒドロキシプロピル化リン酸架橋タピオカデンプン(LHTS)を用いた。小麦粉・RSにイオン交換水を加え,混合系総濃度16.7 w/w%とした。小麦粉のみをコントロールとし,小麦粉のうち5 %をRSに置換したものをRS混合系ゲルとした。ゲルの調製温度は,90℃と120℃とした。それらのゲルの圧縮測定,テクスチャー測定,およびRS量測定を行った。

【結果】初期弾性率は,HACS,XLTS,LHTS混合ゲルで120℃の方が高く,歪0.5の圧縮応力はControl,HACS,LHTS混合ゲルで120℃の方が低下した。歪0.5の圧縮エネルギーに加熱温度の影響は見られなかった。硬さは,HACS,HHTS混合ゲルで120℃の方が軟らかかったのに対し,XLTS混合ゲルは120℃の方が硬かくなった。付着性はLHTSゲルのみ120℃で低下し,凝集性には加熱温度の影響は見られなかった。RS量は,Control,HACSゲルで120℃の方が有意に多く,より高温で加熱した方がRSは残存しやすい可能性が示された。

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