2003 年 2 巻 5 号 p. 177-204
社会科学、とりわけ経営学における実証研究の方法論について考える。東京大学大学院経済学研究科では、これを「Field-Based Research Methods (FBRM)」と呼んでいる。こうした方法論は、いわばフィールド調査の「場数」を踏んで体得するという面もあるが、座学で学べることも多い。むしろ、まず基本概念やフレームワークをきっちり習得した上で、実証の現場に立つことが望ましい。ここではFBRMの出発点として、アカデミックな研究とデータ収集の関係について考えよう。