2023 年 22 巻 2 号 p. 43-58
本稿は、Howard-Grenville et al. (2016a) の第1章 「Zooming OutとZooming Inを用いたルーチン研究の論点と展望」 を紹介したものである。第1章では、プロセス学派の観点から、ルーチンの「絡み合い」(entanglement) や「ズーミング」(zooming) といった分析視角を用いて、第2章以降の内容が紹介されている。本稿ではまず第1章の概要を紹介し、続く解説において、第1章の著者らの分析枠組みの提示の仕方に見られた課題および後続研究においてどのようにルーチン研究が発展してきたのかを論じる。