日本応用きのこ学会誌
Online ISSN : 2433-0957
Print ISSN : 1345-3424
10 巻, 4 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 高畠 幸司
    原稿種別: 本文
    2002 年10 巻4 号 p. 193-198
    発行日: 2002/12/31
    公開日: 2018/04/20
    ジャーナル オープンアクセス
    カラマツ水抽出物(KWE)を菌床培地の表面に散布してエノキタケ,ヒラタケのビン栽培を行い,KWEのきのこ栽培への利用性を検討した.エノキタケでは子実体収量の観点よりKWE4g区(接種孔を埋め,培地表面を完全に被覆する量),ヒラタケでは栽培所要日数の観点からKWE2g区(培地表面を薄く被覆する量)が有効であった.KWEを培地表面に散布する方法は,子実体収量が対照区に比べて1割程度増加し,有効な栽培方法と考えられる.
  • 高畠 幸司
    原稿種別: 本文
    2002 年10 巻4 号 p. 199-204
    発行日: 2002/12/31
    公開日: 2018/04/20
    ジャーナル オープンアクセス
    ヒラタケ菌床栽培における餡殻の培地材料としての適性を検討した.餡殻を栄養材として利用した場合,米糠あるいはフスマに対する餡殻の置換割合が高くなるにつれて子実体個数並びに子実体収量は減少した.餡殻を培地基材として利用した場合,スギオガ粉を餡殻で置換すると,子実体収量は増加した.子実体収量は,餡殻の置換割合が75%までは,置換割合と共に増加し,75%置換区でスギオガ粉単体区の1.2倍になった.しかし,餡殻100%置換区では,子実体収量は75%置換区より劣り,培地調整の作業効率は著しく低下した.これらのことから,ヒラタケ菌床栽培において,餡殻は栄養材としては通さないが,培地基材としてはスギオガ粉と混合して使用することにより有用であることが示唆された.
  • 高畠 幸司
    原稿種別: 本文
    2002 年10 巻4 号 p. 205-211
    発行日: 2002/12/31
    公開日: 2018/04/20
    ジャーナル オープンアクセス
    シベリア産カラマツ材を製材する工程で集塵ファンやダクト内に微粉末の塊が形成されるが,この微粉末塊には水抽出物が約40%の含有率で存在していた.微粉末塊を粉砕したカラマツ微粉末(以下,カラマツ微粉末とする.)を寒天培地,鋸屑培地,液体培地に添加して,ヒラタケ,シイタケの菌糸体成長,子実体形成に及ぼす影響を検討した.カラマツ微粉末を培地に添加することにより,ヒラタケ,シイタケの菌糸体成長は促進された.鋸屑培地にカラマツ微粉末を添加することにより,ヒラタケ,シイタケ共に子実体収量は増加した.好適な添加濃度は2〜5%で,ヒラタケでは無添加培地の1.2倍,シイタケでは1.4倍の子実体収量を示した.カラマツ微粉末はトリコデルマ菌の菌糸体成長に抑制作用を示した.カラマツ微粉末のヒラタケ,シイタケ,トリコデルマ菌に対する作用はカラマツ水抽出物と同様な傾向を示し,カラマツ微粉末中の水抽出物が作用したと考えられる.
  • 田中 徳夫, 豊増 哲郎, 野沢 康郎, 生野 泰文, 中沢 武, 星野 浩子, 高村 一知
    原稿種別: 本文
    2002 年10 巻4 号 p. 213-220
    発行日: 2002/12/31
    公開日: 2018/04/20
    ジャーナル オープンアクセス
    シイタケのビタミンDを効率よく増加させる方法とその原理を応用したビタミンD強化装置を開発した.エルゴステロールのプレビタミンDへの光異性化が,295nm付近で効率がよいことに注目し,主波長310nmのランプを使用した.主波長310nmのランプは,主波長254nmの殺菌灯ランプと比べビタミンDを1.5〜3.5倍多く生成した.また,主波長310nmのランプを照射強度100μW/cm^2,15〜30秒間照射することで,ビタミンDの一日所要量(100IU)がシイタケ1個に生成された.これらの知見をもとに,紫外線強度を0μW/cm^2から150μW/cm^2まで調光可能で,ベルトコンベア速度を1.7cm/secから16.5cm/secまで変化させることで照射線量が調節可能なビタミンD強化装置を作製した.この装置を用いれば,キノコの種類や目的に応じてビタミンD含量を変化させることが可能になると期待される.
  • 福島 隆一, 小平 律子, 下坂 誠, 岡崎 光雄
    原稿種別: 本文
    2002 年10 巻4 号 p. 221-228
    発行日: 2002/12/31
    公開日: 2018/04/20
    ジャーナル オープンアクセス
    カバアナタケの菌糸成長最適温度は30℃,最適pHは5〜7であった.培養中に形成された子実体の断片を,新しい培地に接種するとすみやかに新たな子実体を形成した.また,マンニトール,ソルビトール,トレハロースを培地に添加すると,子実体形成率が向上した.これらの糖類と小麦粉を添加したシラカンパオガクズのビン培養により60日間の培養期間で培地重量の13%程の子実体が得られた.また,これらの子実体は胞子を形成していることを確認した.1年にわたる長期培養においては菌核の形成も認められた.
  • 寺嶋 芳江, 伊草 久夫, 大賀 祥治
    原稿種別: 本文
    2002 年10 巻4 号 p. 229-234
    発行日: 2002/12/31
    公開日: 2018/04/20
    ジャーナル オープンアクセス
    シイタケの菌糸体成長と子実体生産を保存期間を0日,90日,180日として25℃で保存した生米糠および脱脂米糠を添加したけん濁液培地と菌床培地で,それぞれ試験した.新鮮な米糠に比べて,保存したいずれの米糠の培地においても菌糸体重量は増加した.しかし,保存期間を延長するといずれの米糠の培地でも子実体収量が減少した.保存した生米糠と脱脂米糠の培地では奇形子実体が多く形成され,脱脂米糠の方で多かった.
feedback
Top