日本応用きのこ学会誌
Online ISSN : 2433-0957
Print ISSN : 1345-3424
ビタミンD_2強化シイタケ製造装置の開発
田中 徳夫豊増 哲郎野沢 康郎生野 泰文中沢 武星野 浩子高村 一知
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2002 年 10 巻 4 号 p. 213-220

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抄録

シイタケのビタミンDを効率よく増加させる方法とその原理を応用したビタミンD強化装置を開発した.エルゴステロールのプレビタミンDへの光異性化が,295nm付近で効率がよいことに注目し,主波長310nmのランプを使用した.主波長310nmのランプは,主波長254nmの殺菌灯ランプと比べビタミンDを1.5〜3.5倍多く生成した.また,主波長310nmのランプを照射強度100μW/cm^2,15〜30秒間照射することで,ビタミンDの一日所要量(100IU)がシイタケ1個に生成された.これらの知見をもとに,紫外線強度を0μW/cm^2から150μW/cm^2まで調光可能で,ベルトコンベア速度を1.7cm/secから16.5cm/secまで変化させることで照射線量が調節可能なビタミンD強化装置を作製した.この装置を用いれば,キノコの種類や目的に応じてビタミンD含量を変化させることが可能になると期待される.

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© 2002 日本きのこ学会
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