日本応用きのこ学会誌
Online ISSN : 2433-0957
Print ISSN : 1345-3424
ナメコ菌糸体のグルコース-1-リン酸ホスファターゼの精製と性質
矢崎 潤史城 斗志夫鈴木 佳代小川 佳代早川 利郎
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1998 年 6 巻 1 号 p. 1-8

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抄録
カザミノ酸-グルコース培地で25℃,30日間,暗所培養したナメコ菌糸体には,少なくとも4種類の酸性ホスファターゼアイソザイムが存在することが示唆された.このうちの一つを硫安分画,DEAE-Toyopearl陰イオン交換クロマトグラフィー,DyeMatrex Red-Aアフィニテイ-クロマトグラフィーにより単一に精製し,性質を調べた.本酵素の分子量はSDS PAGEで分子量は42,000,ゲルろ過で44,000と算出されたことから,本酵素はモノマー酵素であると考えられた.酵素反応の最適pHは5.9,最適温度は40℃,等電点は5.1であった.様々なリン酸エステル化合物を用い基質特異性を調べた結果,本酵素はグルコース-1-リン酸に高い特異性を有することが示された.本酵素の活性はHg^<2+>,モリブデン酸アンモニウム,SDSにより阻害された.
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© 1998 日本きのこ学会
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