抄録
真空含浸処理により組織状態を変化させたカットリンゴの電気的特性と組織構造の関係を調べた。X線マイクロCTによる観察から,蒸留水を用いた同一時間の真空含浸処理において,圧力を低く設定するほど試料の空隙率が減少することが示された。このとき,電気インピーダンス解析によって得られる細胞外抵抗は設定圧力が低いほど小さく,また,細胞膜容量(Cm)は大きくなり,空隙率変化との間に相関が認められた。また,スクロース溶液を用いた真空含浸処理においては,スクロース濃度の増加に伴いCmは減少した。したがって,含浸液の浸透圧変化によって細胞膜の膨圧が変化し,電気的特性に影響を及ぼすと示唆された。