ナガチャコガネの効率的な防除には成虫に効果のある剤の探索が欠かせないため,先行研究で評価が十分でなかった複数の薬剤について,とりわけジアミド系のシクラニリプロールおよびネオニコチノイド系のチアメトキサムを中心に,複数の剤型および施用法による成虫への殺虫活性を比較し,効果的な施用法および試験方法について検討した。虫体浸漬法,および薬液処理されたダイズ植物体上での飼育試験により,チアメトキサムおよびクロチアニジンの高い殺虫活性が明らかになり,種子処理ダイズ等の餌植物を通じた成虫防除の可能性が示された。ジノテフラン等,その他のネオニコチノイド剤の活性は低かった。後発ジアミド剤のシクラニリプロールおよびシアントラニリプロールについて,すでに適用のあるMEP乳剤に匹敵する殺虫活性が示唆されたが,接触毒性の強さは不明であり,成虫への効果的な施用手段を引き続き検討する必要がある。