日本畜産学会報
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一般論文(原著)
イアコーンサイレージの反芻胃内分解特性と泌乳牛への給与時における採食行動と飼養成績
多田 慎吾青木 康浩大下 友子
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2018 年 89 巻 4 号 p. 431-437

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抄録

イアコーンサイレージ(ECS)の反芻胃内分解特性と泌乳牛への給与時の採食行動と飼養成績を圧ぺんトウモロコシ(FC)を対照として検討した.In situ法から,ECSはFCより乾物およびデンプンの可溶性画分が多く,分解が速いことが示された.イネ科牧草サイレージ主体でFCまたはECSを含む飼料を飼料F,Eとし,泌乳牛8頭にクロスオーバー法で朝(9 : 30)と夕方(16 : 30)に給与した.朝の給与後の採食持続時間に差は認められなかったが,夕方の給与後は飼料E給与期に飼料F給与期より短く,その間の採食量も少なかった.一方,その後翌朝の給与までの採食量は飼料E給与期に多く,1日の採食量に差は認められなかった.乳量および乳成分に差は認められなかった.前回給与からの間隔が短い場合,ECS給与時はFC給与時より給与直後の採食が制限されるが,その後の採食は活発となり採食量や乳生産は維持されることが示唆された.

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