黒毛和種雌牛における採卵性形質と体型審査形質の遺伝相関を推定し,採卵性形質に関する育種価の多形質モデル評価における体型審査形質の有用性について検討した.2008年から2018年に雌牛1,532頭から収集された19,155回分の総回収卵数および高品質胚数の記録ならびに2014年以降に審査された雌牛372頭に関する体型審査記録を分析に用いた.遺伝率および遺伝相関の推定には単形質および2形質アニマルモデルREML法を用いた.体尺測定項目および審査形質のうち体積項目では中程度以上の,種牛性に関わる項目では低い遺伝率が推定された.いくつかの体型審査形質では,採卵性形質との間に好ましい遺伝相関が推定されたが標準誤差は大きかった.多形質モデル評価に関する数値シミュレーションから,採卵性形質の遺伝的改良には,遺伝率が中程度以上かつ採卵性形質との遺伝相関の絶対値が大きい補助形質が有効であると推察された.