近年、大学生の学力低下の問題が大きな社会問題になっている。特に、数学嫌いな学生の増加、数学的思考力の低下は忌忌しき問題である。現在の大学生は何故数学が苦手なのだろうか?実は数学的思考力以前に、もっと基本的な能力に問題があるのではないだろうか。そこで、本研究では、まず大学生の読解能力に焦点を当て、文章読解過程のどの段階で問題を有しているのか分析することを目的とした。具体的には、難易度の異なる2種類の文章を学生に読ませ、学生が理解する過程をビデオに撮影し、実際に何が問題で理解できないのか、理解できる学生と理解できない学生でそのストラテジに差があるのか分析した。