抄録
本研究は,一致・不一致試行出現確率の教示が適合性効果に及ぼす影響を検討した。反応競合パラダイムを使ったこれまでの研究では,一致試行が多く出現する事態に比べ,不一致試行が多く出現する事態において,適合性効果が減少することを示している。本実験では,40名の右手利きの成人が参加し,左右視野どちらかにランダム呈示されるフランカー刺激の中からターゲットの同定を行った。左右視野における一致・不一致試行出現確率はそれぞれ50 %であった。参加者の半数は,一つの視野が対側視野に比べて,一致試行の出現確率が3倍高く出現するという教示を受けた。残りの半数はそのような教示を受けなかった。実験の結果,教示の有無に関わらず,各視野における適合性効果の変動は見られなかった。このことは,適合性効果の変動は,参加者の意図を必要としない可能性を示唆した。