抄録
我々は日常生活において,恐怖や嫌悪などネガティブな感情を持つものに対して瞬間的に注意を引きつけられたり,注意をそこから逸らせなくなるといった現象を体験することがある。ヘビやクモなど,一般的に人の恐怖となる刺激を用いた実験は数多く存在するが,人によって恐怖の度合いが異なる刺激を用いた実験は少ない。そこで本研究では恐怖刺激として甲殻類の視覚刺激を用い,認知の個人差を調べた。課題にはGo/No-go課題を用い,反応時間と誤答率を分析した。その結果,恐怖群は統制群よりも甲殻類の検出に優れていること,認知の個人差は周辺情報の影響を受けにくいことが分かった。