本研究の目的は,長野県における「やしょうま」の食文化を記録保存し伝承するための資料を得ることである。「やしょうま」について文献調査と関係者への聞き取り調査を行い,中野市で行われた「やしょうま」の料理講座のフィールド調査を行った。文献調査の結果から,江戸時代には,米粉の蒸した団子を「やせうま」と呼んだことと,長野県の寺で涅槃会に参拝者に新粉の団子を与えることを「やせうま」と呼んだことが明らかとなった。「やしょうま」の模様柄は昭和10(1935)年頃,松本の寺院で考案され,その後,全域に広がった。「やしょうま」の伝承講座は大変人気で,SNSを活用した情報発信とアーカイブ活動が行われていた。