日本皮膚科学会雑誌
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境界線の皮膚に及ぼす影響 第1編 臨床実験的研究
岩下 恭三
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1967 年 77 巻 1 号 p. 1-

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抄録
 Bucky (1925)により発見された境界線は管電圧8~12kv.波長1~3Åで,その生物学的性状はレ線と紫外線との中間にあり,従って皮下組織及びより深部組織を庇護しつつ皮膚病巣のみに充分な線量を照射し得る利点かある.わが国でも昭和3年に東大から報告されているが,その後,管球のLindemann硝子が破壊しやすく,高電圧,高湿度に適しないため一般には使用されずにいた.ところが1946年にLindemann硝子に代ってberylliumが用いられLindemann硝子の欠点が除かれてから,境界線療法は急速に発展し,これによる治験報告が次々と現れて来た.けだし境界線の皮膚に及ぼす影響にっいては既に市川らが詳細に報告し,元来レ線の細胞に対する主な作用は細胞核にありといわれているが,核に形態学的変化の現われる前に当然機能的変化の先行すことが予想される.ところか,少なくとも境界線に関する限り,かかる変化の追究は今日まで全く行なわれていない.そこで余はかかる観点より,ここでは人皮膚について表皮の細胞機能に重要な役割を演ずる核酸代謝及びglycogen代謝に及ぼす境界線の影響を組織化学的に検討すると共に,他方これまた知見の殆んど欠けている皮膚反応或いは皮膚機能に及ぼす影響,更には照射局所の血液像の変化等を検索し,あわせて皮膚疾患の治療成績に言及したいと思う.
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© 1967 日本皮膚科学会
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