タケ・ササ類は、長期にわたり栄養成長を行い、数十年以上に一度開花することが知られるが、その実態解明には長期的な試験が欠かせない。国内ではモウソウチク (Phyllostachys edulis) を対象に、開花結実から次世代の開花までの年数の解明に向け、1930年から行われてきた試験がある。本稿では、文献、聞き取り、現地調査をもとに、過去約一世紀にわたる植栽記録や生態情報をまとめた。試験は累計11カ所で行われ、実生の第一世代目では、多くの試験地で発芽から主に67年目に開花した。第二世代目は現在9カ所で維持されており、開花までの年数が著しく短縮するモウソウチクも確認された。今後の課題として、系統保存、情報の更新と共有、研究の問いの再考があげられる。