抄録
症例は27歳,男性.多量の血便を主訴に来院した.緊急大腸内視鏡検査では回盲弁上に露出血管を伴う潰瘍を認め,3度の内視鏡的止血術にも関わらず,再出血を認めた.入院時提出した便培養からCampylobacter jejuniが検出されたため,カンピロバクター腸炎と診断し,レボフロキサシンの投与を開始した.その後も血便が続くため,抗菌薬をアジスロマイシンに変更したところ,3日後には血便は消失した.回盲弁上の潰瘍を認めた場合,感染性腸炎を疑わせる所見を伴っていなくても,カンピロバクター腸炎を念頭に置き詳細な問診や便培養検査を施行することが重要である.