2022 年 64 巻 12 号 p. 2509-2515
神経周膜腫(perineurioma:PN)は,消化管には稀な神経周膜細胞由来の良性腫瘍である.このPNとsessile serrated lesion(SSL)が同一病変内で認められる症例は更に稀で,どちらが先行して発生したのか,未解決のままになっている.今回われわれは,同一病変内にSSLとPNを認めた3病変を経験した.3病変共,間質に増殖した紡錘形細胞で,3種類のperineurial cell markerが陽性〜弱陽性であることからPNと診断した.3病変のうち,2病変は,5mmと小さく,laterally spreading tumor病変では,小隆起部でのみPNが認められた.今後,この様な症例の蓄積が,両病変併存理由解明の一助となるのではないかと考えられた.