日本消化器内視鏡学会雑誌
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手技の解説
BAE:高到達率と安全性を両立する手技
竹中 健人 河本 亜美大塚 和朗
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2026 年 68 巻 6 号 p. 1182-1191

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抄録

BAEは,小腸を「たぐり寄せ」ながら深部へ到達する手技であり,小腸疾患の診断・治療に不可欠なモダリティとなっている.ダブルバルーン小腸内視鏡(double-balloon enteroscopy:DBE)では先端バルーンと外筒バルーンを交互に拡張・収縮させて短縮を図り,シングルバルーン内視鏡(single-balloon enteroscopy:SBE)では先端アングルと受動灣曲を活かしてスコープ自体の把持力を高める.手技の要点は,十分な前処置とCO2送気を基本とし,カプセル内視鏡やMR enterography(MRE)/CT enterography(CTE)所見を参考に病変に最も近い経路(経口/経肛門)を選択すること,そして透視を必要時のみ併用しつつ腸管走行とループ形成を把握することである.挿入操作では「固定→前進→短縮」を繰り返すPush-Pull操作を軸に,腸管のたるみを確実に取りながら同心円状のスコープ形状を保つことが重要である.抵抗や先端フリー感の低下を感じた際には,直ちに解放・後退して軸を立て直し,外筒バルーン位置やカーブを再設計することで穿孔などの偶発症を予防する.「無理をしない・腸管に逆らわない・バルーンの効きを常に感じる」という原則のもと,一人法・二人法いずれにおいてもPush-Pull配分と軸保持を徹底することが,安全かつ高い到達率を達成するためのバルーン内視鏡手技の核心である.

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