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本研究では、断層岩試料からの微小量試料の採取と、主成分・微量元素・同位体分析を包括的に行う手法を構築した。試料としてはIODP Exp.343(JFAST)で得られた日本海溝プレート境界断層の掘削コア試料を用いた。サンプリングと主成分・微量元素分析について報告する。サンプリングにはPC制御の高精度マイクロミル(Geomill326)を用いた。得られた粉末試料のうち1 mg前後をHF-HNO3-HClO4で分解して溶液化し、一部を分取してICP質量分析計(Agilent 7700x)で主成分・微量元素分析を行った。秤量以降の実験操作を断層岩試料と同等条件で行った標準岩石試料JB-3の分析値は推奨値と良い一致を示した。JFASTプレート境界断層については、断層すべりに伴う何らかの物理・化学過程が記録されていることが分かった。それらの成因、および断層研究における本手法の有効性について考察する。