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花崗岩はまた地球史を通じて、かつ大陸地殻の全域にわたって広く分布している深成岩である。花崗岩は沈み込み帯深部で発生すると考えられており、花崗岩質マグマのは泥質堆積物を起源とする還元的なSタイプ、苦鉄質火成岩を起源とする酸化的なIタイプの2つに大別される。Sタイプ花崗岩の硫化鉱物は低い同位体比 (δ34S)を持つ一方で、Iタイプ花崗岩の硫化鉱物は海水硫酸の硫黄同位体比を反映した高い同位体比を持つことがわかっている。本研究では、これを太古代 (>25億年前)、四種硫黄同位体比分析に拡張する。太古代の花崗岩は高圧条件下で海洋地殻の部分融解により形成したと考えられる。そのため太古代花崗岩は負の硫黄同位体比異常を持つことが期待される。本研究は太古代花崗岩としてカナダ、西オーストラリア、及び南インドの花崗岩中硫化鉱物の四種硫黄同位体比の分析値を報告する。花崗岩の硫黄同位体の負異常は、マスバランスの合わない堆積岩の硫黄同位体異常を補うミッシングリザーバーであることが示唆される。