2025 年 33 巻 p. 26-29
熱伝導率測定法において定常法は最も信頼性の高い手法とされている.しかし,従来の試料形状(主に直方体や円柱)では,加熱面および冷却面以外の側面からの熱損失を避けることができず,測定精度のさらなる向上のためには,この熱損失を克服することが長年の課題となっている.本研究では,球構造を用いた熱伝導率測定装置を新たに開発し,側面からの熱損失を完全に排除した理想的な定常状態下での測定を実現した.本手法は,これまで熱伝導率測定が比較的難しいとされてきた粉粒体材料において特に有効である.開発した球型熱伝導率測定装置を用いて,発泡ポリスチレン球を測定することにより装置の妥当性評価を行った後,アルミナ粉粒体の熱伝導率測定を実施した.測定結果は,粉粒体の有効熱伝導率の推定式による値と良好な対応を示した.