2025 年 33 巻 p. 30-34
本研究では,光学顕微鏡画像と深層学習(CNN: Convolutional Neural Network)を組み合わせて,製薬用粉体混合物中の成分比率を非破壊で推定する手法を提案する.2成分混合(CEOLUS PH-101とPEARLITOL 200SD)および3成分混合(イブプロフェン,Pharmatose 100M,CEOLUS UF-702)について,VGG16とXceptionのCNNモデルを構築し,それぞれ回帰タスクとして学習させた.Xceptionモデルは,2成分では決定係数R2 = 0.821,3成分ではR2 = 0.935を達成し,いずれも誤差が小さい高精度な予測を示した.さらに,UMAP(Uniform Manifold Approximation and Projection)によって中間層の特徴を可視化したところ,混合比に応じたクラスタ構造(類似したデータがまとまって形成される構造)が明瞭に現れ,モデルが粒子形態の微妙な差異を捉えていることが示された.本手法は,従来のサンプリングや化学分析に頼らない,リアルタイムかつ非破壊の品質管理ツールとして,製薬工程への応用可能性が高い.