日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
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論文
強震動記録を用いた震源インバージョンに基づく国内の内陸地殻内地震の震源パラメータのスケーリング則の再検討
宮腰 研入倉 孝次郎釜江 克宏
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2015 年 15 巻 7 号 p. 7_141-7_156

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抄録

1995~2013年に国内で発生した内陸地殻内地震(MW5.4~6.9)を対象に震源インバージョン結果を収集・整理し、震源断層の巨視的・微視的パラメータの推定を行った。断層破壊領域およびアスペリティ領域の抽出は、Somerville et al.(1999)と同様の規範を用いて行った。その結果、アスペリティ領域の面積比(アスペリティ面積/断層破壊面積)はSomerville et al.(1999)の結果(0.22)に比べて小さい結果(0.16)が得られた。また、断層破壊面積と地震モーメントの関係はMW6.5以下でSomerville et al.(1999)およびMW6.5以上で入倉・三宅(2001)のスケーリング則とよく一致することを確認した。震源断層の長さと地震モーメントの関係において、MW6.5以下では武村(1998)のスケーリング則と調和的である一方、MW6.5以上では武村(1998)のそれとは一致せず、地震本部(2009)のスケーリング則とよく一致することを確認した。また、武村(1998)に記載されている地震カタログの中で1995年以前に発生した6個の地震(MW6.5以上)について、震源インバージョン解析の文献調査に基づいて震源断層の長さと地震モーメントの見直しを行った結果、それらの震源断層長と地震モーメントの関係は地震本部(2009)のスケーリング則とほぼ一致することがわかった。

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© 2015 一般社団法人 日本地震工学会
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