日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
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横浜市高密度強震計ネットワークの記録に基づく地盤増幅度と地盤の平均S波速度との関係
翠川 三郎駒澤 真人三浦 弘之
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2008 年 8 巻 3 号 p. 19-30

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抄録

横浜市高密度強震計ネットワークで観測された地震記録と地盤データを用いて、最大加速度、最大速度、計測震度および応答スペクトルに対する増幅度と地盤の平均S波速度との関係を検討した。最大加速度、最大速度および計測震度に対する増幅度と平均S波速度との関係については、Mが小さな地震の記録とMがより大きな地震の記録による結果は異なり、これはMの大小で卓越する周期成分が異なるためと考えられる。Mの比較的大きな地震の記録から、最大加速度、最大速度および計測震度に対する増幅度はそれぞれ深さ10m、30mおよび20~30mまでの平均S波速度とよい対応がみられる。応答スペクトルに対する増幅度は、周期0.6秒程度までは深さ10mまでの平均S波速度、周期0.6秒~0.8秒程度では深さ20mまでの平均S波速度、周期0.8秒程度以上では深さ30mまでの平均S波速度とよい対応ががみられ、周期0.3秒程度までの短周期に比べてより長い周期で地盤の増幅度が地盤の平均S波速度の相関が高い傾向にある。

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