抄録
本研究の目的は、教員養成課程で学ぶ学生が性の多様性をテーマとした授業実践を開発・実施することの経験を検討することで、多様性に焦点を当てた教師教育を構想する上での示唆を得ることである。そのために、対話的自己エスノグラフィの手法を用いて単元開発から実施に至るまでの過程を分析した。その結果、教員養成課程において性の多様性をテーマとした授業を開発・実施することの教員養成学生の経験の様相を描くことができた。また、そうした教員養成学生の経験から得られた教員養成カリキュラムへの示唆として次の3点が指摘できる。第1に、授業観を刷新する契機となる可能性である。第2に、偏見の自覚と克服ができる点である。第3に社会問題の構造にまで迫る質の省察を喚起できる可能性である。