タンニン酸を水に溶解し, pHを7.0, 9.0に調整し褐変させたものと, 未調整 (pH3.8) のものを100℃で30分あるいは60分加熱褐変させたものと, アミノ酸, 糖類あるいは有機酸をpH未調整 (pH3.8) およびpH7.0に調整したタンニン酸溶液に加え, 100℃で30分加熱褐変させた溶液の化学的性状や抗酸化性を測定した結果, 次のような結果を得た。
1.加熱することによりタンニン酸単独区のpHは低い値を示した。
2.タンニン酸単独区溶液はアルカリ性で強い着色を示し, 還元力もかなり強い値を示した。
3.強い抗酸化性はpHが低く, 30分間加熱した場合で示した。
4.アミノ酸区, 糖類区および有機酸区の抗酸化性をみると, 有機酸区で顕著な抗酸化作用を示した。