日本食品低温保蔵学会誌
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16 巻, 3 号
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  • 坂根 康秀, 太田 英明, 伊東 裕子, 筬島 豊
    1990 年 16 巻 3 号 p. 91-96
    発行日: 1990/08/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    ほぼ完全着色したトマトのポリエチレン包装にエチレン除去剤を使用し, その品質について検討を行った。以下が本実験で得られた知見である
    (1) エチレン除去剤を用いるとポリエチレン袋内のエチレン, アセトアルデヒドの濃度は対照区よりも低かった
    (2) 15℃に貯蔵した場合, 無包装区では硬度の低下が速いが, ポリエチレン包装区では比較的高い硬度を維持でき, さらに除去剤を使用することにより, その対照区よりも高い硬度を維持できた。
    (3) 表面色およびグルタミン酸, グルコース, フルクトース含量については除去剤の使用効果は認められなかった。またクエン酸含量は袋が厚いものほど貯蔵中の減少が少なかったが, 0.03mmのポリエチレンでも除去剤を使用することで高く保つことができた。
    (4) 本除去剤を使用するとトマトの水分含量の低下はポリエチレン包装区よりも大きかったが, 商品価値が著しく低下するほどではなかった。
    (5) 除去剤を使用することで密封による生理障害果の発生を抑制することが可能であった。トマト2個装にエチレン除去剤を使用する場合, ポリエチレンの厚さは0.03mmのものが適している。これらの結果から樹上成熟に近いトマトの出荷が可能であることが推察された。
  • 白 晋和, 阿部 一博, 黒岡 浩
    1990 年 16 巻 3 号 p. 97-104
    発行日: 1990/08/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    ハッサク果実の収穫熟度, 有孔ポリエチレン袋包装の開孔率および低温貯蔵よりの昇温処理がハッサク果実貯蔵中の品質に及ぼす影響を調べた。
    (1) 果皮が帯緑黄色で収穫した果実は黄熟果実より腐敗及びコハン症の発生が少なかった。しかし, 苦味が貯蔵終了時でも強く, 甘味, 香り, および酸味が弱かったので, 食味の総合評価が劣った。
    (2) 貯蔵150日後の食味検査では20℃貯蔵果実の評価が1℃と8℃貯蔵よりよかったが, 減量, 腐敗及びコハン症発生が多かったので, 長期貯蔵には不適であった。8℃では減量および腐敗が1℃と大差がなく, コハン症の発生も後期にわずか認められた程度で, 果皮の赤色がよく発達した。しかし, 食味評価は低かった。8℃から20℃に昇温しても強い苦味が残り, 香りおよび酸味が不足で, コハン症も急激に増加した。1℃では減量, 腐敗及びコハン症の発生が少なかったが, 食味評価が低かった。1℃貯蔵果実を2, 3ヵ月後に20℃に昇温したところ, コハン症の発生がほとんどなく, 食味検査でもかなりよい品質を示した。
    (3) 有孔包装の100孔区では減量, 腐敗及びコハン症発生が16孔区より多く, この影響は貯蔵温度が高いほど大きかった。食味検査の結果も100孔区と16孔区の間で顕著な差がなく, 総合的にみると16孔区の方がよかった。
  • シイタケの修整空気システムCA貯蔵
    山下 市二, 伏見 力, 山本 忠志, 青木 章平
    1990 年 16 巻 3 号 p. 105-110
    発行日: 1990/08/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    CA貯蔵の低コスト化を図る目的で開発中の修整空気システムCA (MASCA) 貯蔵法により, 10℃でシイタケを9日間貯蔵し, 鮮度保持効果を外観および化学成分の面から評価した。同温度空気下貯蔵 (普通冷蔵) を対照とした。
    1) MASCA貯蔵法で, 貯蔵庫内の酸素及び二酸化炭素を所定の濃度 (酸素0-1.5%, 二酸化炭素を9-11%) に制御することができた。
    2) MASCA貯蔵中, シイタケの呼吸量は対照の1/2以下に低下した。
    3) 外観からの鮮度判定によると, 普通冷蔵区では4日で褐変のため商品性がなくなったのに対し, MASCA貯蔵区では鮮度低下は認められず, 9日間MASCA貯蔵した後普通冷蔵に移したシイタケの鮮度低下速強は, 収穫直後のシイタケの鮮度低下速度と同等かむしろ遅かった。
    4) MASCA貯蔵中にエタノールの蓄積がみられたが, エチレンおよびアセトアルデヒドは検出されなかった。
    5) MASCA区においても普通冷蔵区においてもアラビトールとマンニトールが増加した。一方, トレハローズは普通冷蔵区で急激に減少した。MASCA区のトレハロース含量はほとんど変化せず, これを普通冷蔵に移すと急激に減少した。
    6) 普通冷蔵区の総遊離アミノ酸含量は鮮度低下と共に増加した。MASCA区においても総遊離アミノ酸量が増加したが, その速度遅かった。総遊離アミノ酸の増加は主としてグルタミンの増加によるものであった。
    7) リンゴ酸は普通冷蔵区においてもMASCA区においても増加した。
    以上の結果から, シイタケの鮮度保持におけるMASCA貯蔵法の有効性を確認した。
  • 小柳津 周, 成瀬 宇平
    1990 年 16 巻 3 号 p. 111-115
    発行日: 1990/08/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    タンニン酸を水に溶解し, pHを7.0, 9.0に調整し褐変させたものと, 未調整 (pH3.8) のものを100℃で30分あるいは60分加熱褐変させたものと, アミノ酸, 糖類あるいは有機酸をpH未調整 (pH3.8) およびpH7.0に調整したタンニン酸溶液に加え, 100℃で30分加熱褐変させた溶液の化学的性状や抗酸化性を測定した結果, 次のような結果を得た。
    1.加熱することによりタンニン酸単独区のpHは低い値を示した。
    2.タンニン酸単独区溶液はアルカリ性で強い着色を示し, 還元力もかなり強い値を示した。
    3.強い抗酸化性はpHが低く, 30分間加熱した場合で示した。
    4.アミノ酸区, 糖類区および有機酸区の抗酸化性をみると, 有機酸区で顕著な抗酸化作用を示した。
  • 農畜産物凍結の始まり
    加藤 舜郎
    1990 年 16 巻 3 号 p. 116-128
    発行日: 1990/08/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
  • 大和 弥寿
    1990 年 16 巻 3 号 p. 129-131
    発行日: 1990/08/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
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