抄録
米飯のテクスチャー測定については, 炊飯塊をほぐして実際に摂食する状態で究明されたものが見当たらない。前報では従来の炊き上げたままの塊状の炊飯を一軸圧縮する方法より直接にずり変形を与える測定様式の方が妥当であろうと考察した。ここでは「ずり」変形様式を米飯に簡易に与えるために, ブラベンダービスコグラフのボウルに炊飯塊を詰めて一定角度のずり変形を加え, 箸に見立てたピン型の撹拌子に掛かる力と回復時の応力緩和を, 同機のカートリッジを捩じりバネとして測定することを考案した。実験では炊飯粒の詰め方, 米の種類との関係, 米飯粒表面のねばりとの対応などについて検討した。