日本食品保蔵科学会誌
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29 巻, 1 号
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  • 庄司 一郎, 加藤 好光
    2003 年 29 巻 1 号 p. 3-10
    発行日: 2003/01/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    媒体式および乾式製法により製造された無洗米の品質と炊飯特性について検討し, 以下のことが明らかとなった。
    (1) 無洗米は普通精白米に比してやや重量が少なく, 白度が高いことが特徴的であった。また, 製法の比較では乾式Cは媒体式A, Bに比して白度が低く, タンパク質, 脂肪の割合がやや多かった。
    (2) 洗米操作と洗液の濁度比較では無洗米は普通精白米より約2倍透明度が高かった。無洗米三種では媒体式A, Bは乾式Cに比して洗液の透明度が高く, 米粒への損傷が少なかった。
    (3) 無洗米三種は吸水率が高く, 特に媒体式A, Bは吸水速度も速く, 水温の影響も小さく, 吸水しやすい性質を示した。一方, 普通精白米は無洗米に比べて吸水が遅く, 特に, 低温での吸水率が低く, その要因として肌糠が無洗米に比べ十分に除去されていないためであることが示唆された。
    (4) 精白米粉のアミログラフによる粘度特性からは無洗米は普通精白米に比して糊化温度が低く, 最高粘度および最終粘度の経時的上昇が小さかった。また, 老化度では乾式Cは媒体式A, Bに比して低値を示した。
    (5) 光学顕微鏡による米飯の表面観察からは乾式で製造された無洗米の米飯は米飯表面においてズダンIV染色により脂質が濃く染色され, 肌糠等の残存がやや多いことが観察された。
    (6) 官能評価の結果からは無洗米米飯は, 炊飯直後では無洗化処理による差異すなわち, 媒体式および乾式製法による有意差はみられなかったが, 一日放置後では粘り, 口当たり, 総合評価の3項目で有意差が認められ冷めると食味が低く評価された。この要因としては加水量が低いことに由来していると推察された。
  • 廣田 智子, 田畑 広之進, 福嶋 昭, 井上 喜正, 中川 勝也
    2003 年 29 巻 1 号 p. 11-16
    発行日: 2003/01/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    丹波黒大豆エダマメの収穫から冷凍処理までの保存条件が品質に及ぼす影響について検討した。また, 収穫時期別の保存条件についても検討した。
    (1) もぎ莢の状態で常温で放置した場合, ショ糖は8時間後までは収穫直後の87%であったが, 24時間で55%, 72時間で31%まで低下した。冷蔵 (5℃) した場合は, 72時間までショ糖の低下はみられなかった。
    (2) 収穫後24時間保存する場合, 冷蔵や砕氷処理は収穫直後の色調や成分含量を保持した。常温では, ポリエチレン包装や水浸漬処理, 枝付きの形態で保存すると品質の低下が抑えられた。
    (3) 収穫時期前半は, 収穫直後の莢色は鮮やかな緑色で, 保存処理72時間は色調の変化はみられなかった。収穫時期後半の莢色は前半に比べてやや黄化しており, 常温では72時間後には莢の黄化が進んだ。ショ糖は, どの保存条件においても収穫直後の含量が高い収穫時期後半の方が高く推移した。色調を重視した製品には収穫時期前半のものを用い, 食味を重視した製品には収穫時期後半のものを用いるのが望ましい。
  • 谷口 (山田) 亜樹子, 佐藤 広顕, 三森 一司, 菊池 修平, 高野 克己
    2003 年 29 巻 1 号 p. 17-23
    発行日: 2003/01/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    本研究ではブナ化したシロサケの有効利用として, 各種プロテアーゼ製剤を用い, 良質な魚醤油を開発することを目的とし, ブナサケ肉質に内臓ならびにプロテアーゼA, アロアーゼ, パパインW40の市販プロテアーゼ製剤添加を用い, ブナサケ中のタンパク質分解, ホルモール態窒素およびアミノ酸などの経時的変化を調べた。
    pHおよび酸度の経時的変化はプロテアーゼAおよびパパインW40添加区で最も変化し, 120日間後のpHは約pH5.6, 滴定酸度は3以上であった。プロテアーゼA, パパインW40, アロアーゼ添加および内臓添加区の順に全窒素およびホルモール窒素量が高かった。製品の魚醤油の全窒素量, アミノ酸窒素およびアミノ化率はそれぞれ2.86-3.22, 1.55-2.00および54.2-62.1%を示し, 内臓添加魚醤油に比べ高いことから, プロテアーゼ製剤の利用効果が認められた。プロテアーゼA添加魚醤油は, タンパク質分解率が約93%, アミノ化率が62%といずれも内臓, パパインW40, アロアーゼ添加に比べ高い値を示し, その差異が各プロテアーゼ製剤中のプロテアーゼ, アミノペプチダーゼ, カルボキシペプチダーゼおよびジペプチダーゼの耐塩性に起因することを明らかにした。
  • 西山 由隆, 前田 治子, 永島 俊夫, 渡部 俊弘, 村 清司
    2003 年 29 巻 1 号 p. 25-31
    発行日: 2003/01/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    Bacillus sp.11-4培養液中からコラゲナーゼ様の特異性を示す金属プロテアーゼ (プロテアーゼ1) を精製した。精製プロテアーゼ1は, N末端アミノ酸配列分析を行い, そのN末端から43残基までのアミノ酸配列を決定した。さらに, V8プロテアーゼ処理によって5つのベプチド断片を調製し, そのアミノ酸配列を分析した。得られた断片のうち3つはプロテアーゼIのN末端アミノ酸配列と一致したが, 残る2つの断片は内部領域と考えられる配列を示した。得られた部分アミノ酸配列をBLASTデータベース検索した結果, クロストリジウム属, バチルス属, ストレプトコッカス属およびスタフィロコッカス属が産生する中性金属プロテアーゼと相同性を示した。これらのプロテアーゼは亜鉛結合モチーフHEXXE配列を持ち, サーモリシンファミリープロテアーゼに共通の隠れマルコフモデルドメインを有していた。また, さきに報告されたプロテアーゼ1の特性はサーモリシンファミリープロテアーゼのそれらと類似していた。以上の結果から, プロテアーゼ1は部分アミノ酸配列の結果を基にサーモリシン様プロテアーゼであると推定された。
  • 小柳津 周, 藤本 佳道, 荻原 博和, 関本 邦敏, 成瀬 明, 成瀬 宇平
    2003 年 29 巻 1 号 p. 33-36
    発行日: 2003/01/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    Cat's Claw, Maca, PasuchacaおよびNoniからクロロホルム : メタノール混合液および水で抽出した物質の抗酸化作用と抗菌作用を測定した。
    抽出物質には, 低分子量域の褐変物質やα-tocopherolが含まれ, これらの低分子化合物質が相互に関連しながら抗酸化作用および抗菌作用を形成し, 構成成分の違いが作用に差異を生じたものと考えられる。また, 強い抗酸化作用および抗菌作用を示した物質は, Macaのクロロホルム : メタノール抽出物質のみであった。
  • 小柳津 周, 藤本 佳道, 竹永 章生, 伊藤 眞吾
    2003 年 29 巻 1 号 p. 37-40
    発行日: 2003/01/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    ペルーから輸入したCat's ClawおよびMacaの総脂質の脂質組成や各脂質画分の脂肪酸組成について測定した。
    Cat's ClawおよびMacaに共通する構成主要脂肪酸は, C16 : 0, C18 : 0, C18 : 1n9, C18 : 2 n 6およびC18 : 3 n 3の5種類であり, Cat's ClawではC14 : 0とC20 : 0, MacaではC18 : 1n7を加えて主要脂肪酸を構成した。Macaでは, TLとNLの脂肪酸のC18 : 1n9とC18 : 1n7に特異的な関係がみられるほか, C18 : 3n3も高い値を示した。n6/n3およびS. A. /UnS. A.の比では, 各脂質画分ともにCat's Clawで高い値を示し, Macaで低い値を示した。
  • 堀内 久弥, 村 清司, 徳江 千代子
    2003 年 29 巻 1 号 p. 41-46
    発行日: 2003/01/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    米飯のテクスチャー測定については, 炊飯塊をほぐして実際に摂食する状態で究明されたものが見当たらない。前報では従来の炊き上げたままの塊状の炊飯を一軸圧縮する方法より直接にずり変形を与える測定様式の方が妥当であろうと考察した。ここでは「ずり」変形様式を米飯に簡易に与えるために, ブラベンダービスコグラフのボウルに炊飯塊を詰めて一定角度のずり変形を加え, 箸に見立てたピン型の撹拌子に掛かる力と回復時の応力緩和を, 同機のカートリッジを捩じりバネとして測定することを考案した。実験では炊飯粒の詰め方, 米の種類との関係, 米飯粒表面のねばりとの対応などについて検討した。
  • 内野 昌孝, 山岸 亨, 辻井 良政, 高野 克己
    2003 年 29 巻 1 号 p. 47-50
    発行日: 2003/01/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    In this study, we examined identification of glutinous rice breed by RAPD method. Seven polished rice, Hiyokumochi, Hakutyoumochi, Himenomoti, Koganemoti, Miyakoganemoti, Wataboushi, and Chinese rice were used in this study. In addition, these rices were produced in 2000. DNA was extracted and purified by CTAB method. DNA was amplified with OPB, OPM, and OPT primers (Operon Inc.) by PCR. Molecular weight of amplified DNA was determined by electrophoresis. As a result, all breeds of rice were determined by RAPD method.
  • 矢野 昌充
    2003 年 29 巻 1 号 p. 51-55
    発行日: 2003/01/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
  • 大和 弥寿
    2003 年 29 巻 1 号 p. 57-59
    発行日: 2003/01/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
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