抄録
我々は,1,2-α-L-フコシダーゼおよびエンド-α-N-アセチルガラクトサミニダーゼの遺伝子をそれぞれBifidobacterium bifidum JCM1254株およびBifidobacterium longum JCM1217株より単離した.1,2-α-L-フコシダーゼは,ミルクオリゴ糖やムチン糖タンパク質糖鎖の非還元末端側に結合したα-(1→2)-フコシル基によく作用した.また,活性ドメインはデータベース上の機能未知タンパク質に高い相同性を示し,新規な糖質加水分解酵素ファミリー95として分類された.X線結晶構造解析から明らかとなった活性発現に重要な残基は,+1サブサイトにある一残基を除いてすべて保存されていた.大腸菌で発現させたエンド-α-N-アセチルガラクトサミニダーゼは,コア1型のO-グリコシド結合に作用して二糖を遊離した.腸内細菌のゲノム上にそのホモログが存在しており,新規な糖質加水分解酵素ファミリー101として分類された.両酵素とも実際に腸内に存在する天然基質によく作用することから,これらの酵素がビフィズス菌と宿主との共生を考える上で非常に重要であることが示唆された.このことは,最近,北岡らによって発見されたビフィズス菌のGNB/LNB経路によっても支持される.