抄録
正味荷電の違いによって選択したアスパラギン酸(Asp)およびグルタミン酸(Glu),Gluおよびリシン(Lys),ならびに,アスパラギン(Asn)およびグルタミン(Gln)のように2種のアミノ酸の組合せによる馬鈴薯澱粉粒の糊化温度および粘度に対する特徴的効果について,それぞれ示差走査熱量計およびラッピドビスコアナライザーによって評価した結果から解析した.これらの結果は個々のアミノ酸と比較した.Asp,GluおよびLysは,AsnおよびGlnより糊化温度の上昇に大きな効果をもち,ピーク粘度を非常に低下させた.いずれも正味荷電が負のAsp+Gluを組合せたときの糊化温度に対する効果は,個々のアミノ酸の糊化温度上昇効果の和に従い,正味荷電がそれぞれ負および正のGlu+Lysを組合せたときのそれは,二つのアミノ酸のそれぞれの効果の相乗となった.しかし,いずれも正味荷電がゼロのAsn+Glnの組合せの糊化温度に対する影響は,変化が少なく評価し難かった.ピーク粘度に対するAsp+Glu,ならびに,Asn+Glnの組合せの効果は,いずれもそれぞれ二つのアミノ酸の低下効果の和に近かった.