日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2013年年会
セッションID: R7-14
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R7:岩石・鉱物・鉱床一般 (共催:資源地質学会)
硫化物包有物の配列から示唆された斜長石巨晶のオストワルド・ライプニングによる結晶成長
*越後 拓也西間木 志野木股 三善清水 雅浩齋藤 静夫西田 憲正星野 美保子
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抄録

An成分(CaAl2Si2O8端成分) に富むCa-rich斜長石で、粒径が1cm以上の粗粒な斜長石斑晶は、灰長石巨晶と呼ばれ、日本列島の玄武岩~安山岩に多数産出する特徴的な鉱物である。今回、南蔵王不忘山、佐渡島小木半島、五島列島福江島鬼岳に産する斜長石巨晶から硫化物包有物を発見したので、その分析結果を報告する。硫化物包有物の大きさは30 - 50 µm 程度で、その形状は丸みを帯びた四角形を示すものもあるが、ほとんどは円~楕円形の液滴形状を示し、結晶面は発達していない。この中でも、小木産バイトウナイト巨晶には、列状に分布する硫化物包有物が観察され、結晶成長時に硫化物流体として取り込まれたことを示している。小木半島産バイトウナイト結晶は化学組成の均一性が高く、硫化物包有物の化学組成変化も小さいことから、Ostwald ripening によって大きく成長したことが示唆された。

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