日本看護科学会誌
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原著
看護師の自律的な臨床判断が磨かれるプロセス
杉山 祥子朝倉 京子
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2017 年 37 巻 p. 141-149

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抄録

目的:看護師は専門職として,自律性を発揮することが必要である.看護師が自律性を発揮する様相として,看護業務における自律的な臨床判断がある.本研究の目的は,看護師の自律的な臨床判断がどのように磨かれるのか,そのプロセスを明らかにすることである.

方法:臨床経験8年以上の看護師14名に半構成的面接を行った.研究方法論は修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを採用した.

結果:15個の概念から5個のカテゴリーが生成された.看護師の自律的な臨床判断が磨かれるプロセスは,【知識を深める土台を築く】ことから始まっていた.看護師の自律的な臨床判断は,【育んだ技能を活用する】【自分以外の知識・技能を消化する】【判断の中身を振り返る】【知識と実践が深化する】の4つのカテゴリーを循環し磨かれていた.

結論:看護師の自律的な臨床判断は,看護師が自ら知識を蓄え,看護実践を省察することによって磨かれていた.

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© 2017 公益社団法人日本看護科学学会
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