目的:看護大学生の日常生活経験が道徳的感受性に影響を及ぼし,道徳的感受性が看護実践における倫理的行動にあたえる影響を検証する.
方法:看護系大学の4年生1,341名を対象とした.看護大学生の看護実践における倫理的行動評価尺度,道徳的感受性尺度,生活経験・社会経験・学習経験からなる日常生活経験,基本属性から構成される無記名自記式質問紙を配布し郵送法にて回収した.学生の倫理的行動と道徳的感受性と日常生活経験の関連を最尤法による共分散構造分析を行い検討した.
結果:15校の4年生247名から回答が得られ,230名(有効回答率17.1%)を分析対象とした.学生の日常生活経験が道徳的感受性に影響を及ぼし,さらに道徳的感受性が倫理的行動に影響をあたえることが確認された.
結論:倫理的行動をとるためには,日常生活で豊かな経験を経て道徳的感受性を養うことが重要であることが明らかとなった.