日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
Ⅲ. 外傷・外傷合併症
高齢者に生じた近位骨片の二重骨折に粉砕を伴う肘頭骨折に対しdual suture fixationを施行した一例
筒井 完明天野 貴司西川 洋生工藤 理史
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2025 年 32 巻 2 号 p. 99-102

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抄録

症例は74歳女性.単純X線像とCTにて近位骨片が冠状面で二分され粉砕を伴うMayo分類type IIbの肘頭骨折の診断となった.骨折部の整復位保持と術後近位骨片の逸脱予防と目的として,骨片間を直接縫合固定するintraosseous suture fixationと上腕三頭筋腱の牽引力に抗するtension band suture fixationの2種類の縫合固定を組み合わせたdual suture fixationで固定を行った.術後1週から可動域訓練を開始し,12か月後に骨癒合と良好な機能回復を得た.肘頭骨折の手術治療にはtension band wiring,プレート固定などがあるが,骨片の粉砕や骨質脆弱性により従来法で対応困難な症例も存在する.近位骨片が二重に骨折した粉砕肘頭骨折に対し,dual suture fixationは有効な治療選択肢となる可能性が示唆された.

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© 2025 日本肘関節学会
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