会誌食文化研究
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食文化および食育の視点からみた長野県における学校給食の現状と課題―2016年時点での質問紙調査の結果から―
中澤 弥子
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2021 年 17 巻 p. 49-59

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抄録

本研究では、食文化および食育推進の視点から長野県の学校給食の現状と課題を明らかにし、児童生徒が伝統的な食文化について理解を深める参考事例を得ることを目的とした。アンケート調査は2016年11月に実施された研修会の参加者234人の栄養教諭および学校栄養職員を対象として行った。調査用紙は郵送で回収し、アンケートの有効回答数は212票(90.6%)だった。

郷土料理の実施日数は年平均10.7±16.2日であり、行事食の実施日数は年平均11.3±6.4日だった。学校給食において郷土料理や行事食を食べる機会の提供や地域農産物の使用と農業体験を通して、地域の食文化や農業への理解を深める食育を実践していた。食育や学校給食のさらなる充実のためには、特に大規模学校給食調理場において栄養教諭の数を増加することが必要であることが示唆された。

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© 2021 一般社団法人 日本家政学会 食文化研究部会
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