抄録
‹目的·方法›
これまで、私たちは一人一人の生徒に同じような調理体験ができるような授業のしくみが必要であると考え、「一人·一品·三まわり」の調理実習を提案してきた。本報告の課題は一人一人の生徒の成長過程を明らかにするものである。
実際の授業のようすは3台のVTRで記録し、ストップモーション方式で分析した。まず、第1回実習では以下の6点で見た各人の問題点をリストアップした。(1)安全への配慮(2)知識·理解(3)技能(4)作業の見通し·計画性(5)自立(6)連携。第7回実習時の結果を第1回時と比較·検討した。
‹研究結果›
結果は、以下である。(1)生徒一人一人が責任を持って調理した結果、すべての項目で問題点が解消されていた。(2)また、それぞれの問題点が「改善」、「多少改善」、「変化なし」に分けて測定したところ、問題点が改善された生徒は80%以上にのぼった。
この過程をまとめてみると、(1)この実習での生徒の成長過程は、大きく分けて2段階あった。一人で責任を持って一つの調理を取り組む能力が身につくと、調理に必要な能力がついで身につく。また、(2)生徒の調理能力の伸長には、班構成が大きく影響する。(3)分担意識の行き過ぎから、他の分担への関心がなくなるという問題点もある。