日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
第56回大会・2013例会
セッションID: A2-4
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56回大会:口頭発表
中学生の主食選択
家庭科教育への意識及び実践状況との関連に着目して
*藤田 智子
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キーワード: 中学生, 主食選択, 家庭科, 実践
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抄録
【目的】
 現代は必要な食べ物がいつでもどこでも簡単に手に入る環境である。さらに共働きや塾通いの増加などの社会環境の変化に伴い、中学生自身が食事選択をする機会が増加している。そのため食の洋風化による米離れや児童期からの生活習慣病の増加、朝食欠食をはじめとする食習慣の乱れなどのさまざまな問題が指摘されている。近年ではこのような現状を踏まえ、文部科学省が食育推進基本計画を出すなど、国家政策として幼児期からの食育が推進されている。また学校給食においても「地産地消」の充実が図られている。
 よって本研究では、中学生の食生活行動の現状を、特に主食に着目して明らかにする。また、中学生の食生活行動には、家庭科の学習内容や食育で勧められている内容が影響しているのかを分析することによって、今後のよりよい食生活に関する教育に繋げたい。
【方法】
 2012年6月に豊田市立中学校の2年生122名(男子50名、女子72名)に対し、質問紙調査を実施した。調査項目は、主食の好み、自らの食事選択(購入場所、購入理由、重要視する項目等)、1週間の朝食実態、学校給食(主食の理想頻度、配布物への意識等)、食料自給率と地産地消に対する知識、家庭科教育への意識及び実践状況である。
【結果および考察】
 朝食の主食として何を選択しているかを回答してもらった結果を、週5回以上「主食が米」、週5回以上「主食がパン」、それ以外と分けたところ、米食派が28.7%、パン食派が28.7%、それ以外(半分派)が42.4%であった。また朝食欠食回数は「0回」が93.9%であった。近年問題視されている若者の米離れや朝食欠食率の増加などは、今回の調査では顕著ではなかった。
 自分で食事を選択する際、何を重要視するか尋ねたところ、「とても重要視する」の回答が多かったのは「味」「価格」「量」であり、なかでも「味」は75.2%と各項目の中で1番多かった。「付属品」「パッケージタレント」は「重要視しない」との回答が半数を超えており、商品の中身の方に着目して選択していることがわかる。
 地産地消については84.4%が「言葉も意味も知っている」と回答した。食料自給率については36.9%が「言葉も意味も知っている」と回答し、45.9%が「聞いたことはあるが意味はわからない」と回答した。地産地消についての理解度が高かったのは、調査を行った中学校では、地産地消について家庭科教育の中で夏休みの調理実践課題にするなど大きく取り上げているためと考えられる。一方、食糧自給率に関する理解度が、地産地消と比較すると低かったのは、調査時までに家庭科教育の中であまり取り上げられていなかったためと考えられる。
 調理実習の家庭実践状況において、「調理実習を家庭で実践したことがある」と回答した生徒は57.1%であり、そのうちの76.5%が家庭科を「好き」「どちらかというと好き」とし、86.8%が家庭科を「役に立つ」「どちらかというと役に立つ」と考えていた。
 本調査では、近年の食生活において指摘されている米離れや朝食欠食などの問題は顕著にみられなかった。しかし日本の食糧自給率に対する関心を高めること、商品選択の際の意識項目を増やすことなど、改善すべき点は多くある。家庭科教育の内容を家庭生活に結びつけ、日頃から問題意識をもって自らの食行動を考えさせる教育が必要である。
 なお、本研究を行うにあたり、名古屋女子大学家政学部の加藤紗希さんに、データ収集および分析において御協力いただいた。心より感謝申し上げる。
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© 2013 日本家庭科教育学会
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