本研究は, 新任者・中堅者・熟練者の保育者を対象に, 子どもの心情を理解する際にどのような点に着目し理解を進めるか「子ども理解」の視点が, 経験年数による違いがあるか検討することを目的とする. 具体的には, 現職保育者115名を対象に, 日常の保育で想定される子どもが登場する2場面の映像を視聴し, 子どもの行動の理由や心情について自由記述による回答を求めた. 自由記述の回答を分節化し, 「子ども理解」の視点カテゴリに分類し, 3者間による違いがあるか検討した. 分析の結果, 保育者の経験年数の増加と比例し, 子どもの行動や発言等細部に着目し言語化が可能になることが明らかにされた. また熟練者は, 新任者と中堅者と比較し, 子どもの発達等【背景】や周囲の子どもの発言や行動等【他者に関する理解】に着目し「子ども理解」を行っていることが示された.