日本医療マネジメント学会雑誌
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事例報告
医師事務作業補助者導入による医師の業務改善効果の検討
阿部 知子山縣 正庸安川 朋久山口 千恵美高澤 弘美深尾 立
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2011 年 12 巻 2 号 p. 75-78

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抄録

 千葉労災病院では2008年7月より整形外科担当の医師事務作業補助者を導入したが、医師事務作業補助者導入により得られた効果を、業務改善度と医師の業務軽減度について評価検討した。業務改善度の評価では「診断書発行に要する日数」および「退院サマリの完成に要する日数」を導入前後で比較し、医師の業務軽減度の評価では 「医師の時間外勤務時間」 の変化および医師事務作業補助者の業務に対する医師満足度を調査した。「診断書発行に要する日数」は導入前後で平均4.6日から1.4日に短縮し、「退院サマリの完成に要する日数」は導入前後で平均12.9日から4.0日と著明に短縮した。「医師の時間外勤務時間」も一人平均13.2時間/月減少し、整形外科全体では時間外手当が約60万円/月減少した。医師事務作業補助者の業務に対する評価は高く、全体として医師事務作業補助者導入に対する医師の満足度も高かった。医師事務作業補助者導入により、医師の業務負担の軽減が得られるばかりでなく、事務作業が円滑に進むという効果が得られた。

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