2009 年 12 巻 6 号 p. 534-541
本研究では,常温封止接合に対するAu薄膜の表面形状の影響を,AFM表面プロファイルを用いたシミュレーションにより調査する。MEMSでは微小可動部の保護などに封止が必要であり,共振型センサなどでは真空封止が必要とされている。もし封止プロセスが室温で可能になれば,異種材料の接合が可能になる。これまでの研究で,表面活性化常温接合法が真空封止へ適用できることがわかっているが,スパッタ膜のような実用的な表面について詳しい検討はされていない。ここでは,新たにモンテカルロ法を用いたリーク率の計算方法を開発し,リーク路が消失する接触率やリーク率とas-sputtered Au薄膜の表面形状の関係を検討し,最後に接触率と接合荷重について考察する。