エレクトロニクス実装学会誌
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研究論文・技術報告
傾斜型X線CTを用いたBGAはんだ接合部の異物検査手法
野口 健二寺本 篤司山田 宗男村越 貴行
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2010 年 13 巻 1 号 p. 63-70

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抄録

プリント配線板にBGA(Ball Grid Array)やCSP(Chip Scale Package)などを実装する場合,はんだ接合部に混入する異物は接合強度の低下を招く。従来から広く行われてきた可視光を用いた外観検査手法では,はんだに隠れる部分の異物は検査されてこなかった。一方,X線CT(Computed Tomography)方式で得られる水平スライス画像では,異物が存在する接合部の情報をスライス画像として得ることができ,それらを自動的に検出することができれば実装品質の向上が期待できる。そこで本稿では,はんだ接合部を撮影したCTスライス画像から,異物を自動的に検出する手法について提案する。本手法では,異物混入によって生じるはんだ接合部の形状変化に着目して,それを特徴づける複数の値を算出し良否判定を行う。実際に異物の混入したプリント回路板を用いて検証を行った結果,検出正解率98.9%で異物検出することができ,本手法の有効性が確認できた。

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© 2010 一般社団法人エレクトロニクス実装学会
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