2010 年 13 巻 7 号 p. 562-568
近年急速に拡大するフラットパネル製造工程において,歩留まり改善のための検査および欠陥リペア工程の研究は重要なものとなってきている。本研究では,a-Si TFT配線内においてリペア対象となる電気的欠陥の高速かつ正確な検出のために,非接触方式を採用した新たな検査手法を提案する。提案手法により,従来用いられてきたピンプローブ式検査手法と比較して大幅な高速化が可能となるとともに,配線内の欠陥の有無だけでなく欠陥位置まで特定することができるようになり,リペアシステムとその情報を共有することでより効率的な工程管理が可能となる。さらに,本方式を用いることにより,品種ごとによるピンプロービング治具の交換が不要となるため,ピンプローブ式の検査手法の最大の課題とされていたランニングコストの低減が可能となる。