エレクトロニクス実装学会誌
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13 巻, 7 号
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巻頭言
特集/故障を予測するための信頼性技術の最前線
研究論文・総合論文
  • 鷹松 喜子, 江阪 久雄, 篠塚 計
    原稿種別: 研究論文
    2010 年 13 巻 7 号 p. 521-530
    発行日: 2010/11/01
    公開日: 2011/08/03
    ジャーナル フリー
    鉛フリーはんだとして使用されているSn–Ag–Cu系合金の凝固メカニズムを解明するために,Sn–3.5Ag–0.5Cu合金およびSn–3.5Ag–1.5Cu合金を用いて,凝固過程およびβ-Snの過冷度と組織の関係を検討した。実際の凝固では過冷が起こるため,平衡状態図の見積もりよりも低い温度でそれぞれの組織の核生成が起こった。また,凝固組織を観察すると,Pandatの平衡状態図による予測とは異なる組織がみられた。計算上は晶出することのないβ-Snが試料の約半分の体積を占める場合もあった。さらに,凝固の順番やそれぞれの組織の体積率は,見積もりとは異なる値を示した。
  • 田中 浩和, 嶋田 哲也, 岡本 朗, 霞末 和男, 岡田 誠一
    原稿種別: 研究論文
    2010 年 13 巻 7 号 p. 531-535
    発行日: 2010/11/01
    公開日: 2011/08/03
    ジャーナル フリー
    本研究では,実環境で遭遇する微小結露環境を模擬する新たな試験装置を開発し,その制御された環境下で試料表面の結露粒径や時間経過による結露状態変化,微小結露に対するマイグレーション発生過程やマイグレーション加速因子を検討した。その結果,電極間隔より十分小さな結露も,結露と乾燥サイクルを繰り返すうちに,隣接する結露同士が合体しやすい状態になり,結露水中をマイグレーションが成長する現象をとらえた。さらに,本手法の効果を検証した結果,マイグレーション発生の加速因子として印加電圧や結露量のほかに,基材表面における結露粒径や結露付着状態がマイグレーション発生に影響することがわかった。
  • 中許 昌美, 長岡 亨, 森貞 好昭, 福角 真男, 柏木 行康, 山本 真理
    原稿種別: 研究論文
    2010 年 13 巻 7 号 p. 536-542
    発行日: 2010/11/01
    公開日: 2011/08/03
    ジャーナル フリー
    高強度と耐イオンマイグレーション性を有する銅–銅接合を得るために,3種類の銅ナノ粒子(平均粒子径:d=7.2 nm, 64.8 nm, 498 nm)および銀–銅混合ナノ粒子を用いた低温接合プロセス(250℃~400℃)を検討した。銅ナノ粒子を用いた接合では,平均粒子径64.8 nmの銅ナノ粒子を用いた場合に最も高い強度を示した。銅ナノ粒子(d=498 nm)と銀ナノ粒子(d=7.9 nm)の銀–銅混合ナノ粒子の場合には,50%Ag–50%Cuの配合比において最も高い接合強度が得られた。50%Ag–50%Cu混合ナノ粒子を用いた焼成電極は,銀ナノ粒子の焼成電極よりも優れた耐イオンマイグレーション性を示した。
  • 中村 吉宏, 池葉 香澄, 竹越 正明, 土川 信次, 尾崎 純一
    原稿種別: 研究論文
    2010 年 13 巻 7 号 p. 543-551
    発行日: 2010/11/01
    公開日: 2011/08/03
    ジャーナル フリー
    FC-PKG技術の実用化において,PKG基板とシリコンチップの熱膨張係数(CTE)の差異による反りが問題となっており,PKG基板の低CTE化が望まれている。本研究では,ナノシリカの高密度充填によりPKG基板を構成する銅張積層板の低CTE化の実現を目的とし,シミュレーションと実験の両面より検討を行った。有限要素シミュレーションより,FC-PKG基板のCTEが重要であることが示された。粒子径25 nmのナノシリカの導入は,樹脂基板のガラス転移温度(Tg)の低下とCTEの増加をもたらした。熱分析より架橋反応が不十分であることが示された。これはシランカップリング剤と反応していないナノシリカ表面のシラノール基の酸性によりもたらされるものと推測した。高温,長時間の硬化処理は,Tgの上昇およびTg以上のCTE(α2)の減少をもたらした。低CTEをもつ新規ポリイミド系樹脂をマトリックスとして用い,かつシリカ充填量を45 vol%まで上昇させることにより,従来材より5 ppm/Kも低いCTEを有するPKG基板を作製することが可能になった。
  • 中元 克磨, 山本 隆彦, 越地 耕二
    原稿種別: 研究論文
    2010 年 13 巻 7 号 p. 552-561
    発行日: 2010/11/01
    公開日: 2011/08/03
    ジャーナル フリー
    近年,UWB(Ultra Wideband)無線通信技術が近距離エリア内の高速,大容量通信用途に注目されている。電子機器組み込み用のUWB小型アンテナは広帯域にわたって低VSWR特性や水平面内で無指向性であることが必要とされている。本論文では,USBメモリケースなどに内蔵可能な,水平面内無指向性のUWBアンテナを提案し,プリント配線板上に形成されたUWBアンテナの特性の検討を行った。その結果,提案・検討したアンテナはUWB帯域において,良好なVSWR特性と放射特性を示すことが明らかになった。
  • 羽森 寛, 坂和 正敏, 片桐 英樹, 松井 猛
    原稿種別: 総合論文
    2010 年 13 巻 7 号 p. 562-568
    発行日: 2010/11/01
    公開日: 2011/08/03
    ジャーナル フリー
    近年急速に拡大するフラットパネル製造工程において,歩留まり改善のための検査および欠陥リペア工程の研究は重要なものとなってきている。本研究では,a-Si TFT配線内においてリペア対象となる電気的欠陥の高速かつ正確な検出のために,非接触方式を採用した新たな検査手法を提案する。提案手法により,従来用いられてきたピンプローブ式検査手法と比較して大幅な高速化が可能となるとともに,配線内の欠陥の有無だけでなく欠陥位置まで特定することができるようになり,リペアシステムとその情報を共有することでより効率的な工程管理が可能となる。さらに,本方式を用いることにより,品種ごとによるピンプロービング治具の交換が不要となるため,ピンプローブ式の検査手法の最大の課題とされていたランニングコストの低減が可能となる。
講座「最新の分析・計測技術」第4回
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