抄録
光通信やDVD,BDなどの光記録等に使われるレーザを発振する光素子の接続には,従来,フラックスレスで接続でき,融点278℃のAu–Snはんだが使われてきたが,接続後の残留応力により光素子の特性が劣化する場合がある。そこで,より低温で接続することで残留応力を低減できるはんだの開発に取り組んだ。本研究では,Sn(融点232℃)上にSn表面の酸化を防止するため,AgおよびAuを形成したSn/Ag/Auはんだを考案し,各層の膜厚を調整して,低融点(206℃)組成としたはんだを開発した。開発したはんだで,フラックスレスで接続でき,良好な濡れ性と接続信頼性を実現できることを明らかにした。