エレクトロニクス実装学会誌
Online ISSN : 1884-121X
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14 巻, 3 号
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巻頭言
特集/低炭素社会を支える新機能材料
研究論文
  • 坂本 英次, 秦 昌平, 青木 久, 竹盛 英昭, 廣瀬 一弘
    原稿種別: 研究論文
    2011 年 14 巻 3 号 p. 179-188
    発行日: 2011/05/01
    公開日: 2011/11/10
    ジャーナル フリー
    光通信やDVD,BDなどの光記録等に使われるレーザを発振する光素子の接続には,従来,フラックスレスで接続でき,融点278℃のAu–Snはんだが使われてきたが,接続後の残留応力により光素子の特性が劣化する場合がある。そこで,より低温で接続することで残留応力を低減できるはんだの開発に取り組んだ。本研究では,Sn(融点232℃)上にSn表面の酸化を防止するため,AgおよびAuを形成したSn/Ag/Auはんだを考案し,各層の膜厚を調整して,低融点(206℃)組成としたはんだを開発した。開発したはんだで,フラックスレスで接続でき,良好な濡れ性と接続信頼性を実現できることを明らかにした。
  • 原 靖彦, 河田 成広, 白井 健二, 小林 義和, 足立 秀之, 滝沢 義信, 菅野 純一
    原稿種別: 研究論文
    2011 年 14 巻 3 号 p. 189-194
    発行日: 2011/05/01
    公開日: 2011/11/10
    ジャーナル フリー
    微小ボールの高さ変化を検出する研究を行った。微小ボールを平行光で照明すると,ボール上に光点が観察される。2台のカメラにより微小ボールを垂直および斜め方向から検出する。微小ボールの高さが変化すると斜め検出画像中の光点位置が横にシフトして観察される。このシフト量から3角測量の原理によりボールの高さを検出することができる。斜め検出画像の光点位置シフトを垂直検出画像の光点位置と比較するためには2つの画像を整合させる必要がある。画像の整合を行うために画像歪み補正方法を検討した。規則的に黒丸が配列した標準パターンを用いて歪み補正する方式を提案し,歪み補正精度0.027809画素を実現した。本歪み補正法は非対称な曲線歪みも補正できることが特徴である。鋼球を使った実験により100 μmの高さ変化を約10画素の光点のシフトとして検出することができた。
  • 船戸 裕樹, 須賀 卓
    原稿種別: 研究論文
    2011 年 14 巻 3 号 p. 195-203
    発行日: 2011/05/01
    公開日: 2011/11/10
    ジャーナル フリー
    無線機器の小型化・高感度化に伴い,装置内電磁干渉の分析には近傍磁界測定の高感度化および高空間分解能化が望まれている。ループ型の近傍磁界プローブはサイズと測定感度にトレードオフの関係があるが,本研究ではこの両者の定量的関係を明らかにし,また高空間分解能化の手法を提案した。まず,感度劣化の主要因である近傍電界を表現する等価回路を作成し定量的な設計を可能とした。試作した近傍磁界プローブの近傍電磁界に対する特性を評価した結果,電界を抑制するためにシールドを持つプローブは非シールド型のプローブに比べ近傍電界による誘起電圧が2 GHzから9 GHzの周波数範囲で6 dB以上小さくできた。プローブの形状・配置情報から求めた等価回路を用いてこの近傍電界に対する感度の差を表現可能とした。次に,プローブ高さを初期位置とずらした位置での測定誘起電圧の差分から空間分解能を向上する手法を提案し,試作したループ内辺1 mmのプローブを用いてずらし量を30 μmとしたとき,ループ内辺30 μmのプローブと等価な空間分解能を持ち,空間分解能の指標である測定誘起電圧の半値幅は本手法を適用しない場合に比べ約40%改善した。
  • 賀川 美香, 大山 俊幸, 高橋 昭雄
    原稿種別: 研究論文
    2011 年 14 巻 3 号 p. 204-211
    発行日: 2011/05/01
    公開日: 2011/11/10
    ジャーナル フリー
    3,3′-(メチレン-1,4-ジフェニレン)ビス(3,4-ジヒドロ-2H-1,3-ベンゾオキサジン)(P-d型ベンゾオキサジン)は,構造中に生じる物理的相互作用により,汎用ベンゾオキサジンの物性を大きく上回る195℃のガラス転移温度(Tg)と44 ppm/Kの低熱膨脹率を示した。フェノール樹脂およびエポキシ樹脂に代わる新規材料としての可能性が見いだされたが,ポリベンゾオキサジンの分子鎖中に形成される物理的架橋構造が高温下において損なわれるため,熱可塑性を示した。そこで,ポリベンゾオキサジンが持つフェノール性水酸基をエポキシ樹脂と反応させることで化学的架橋の導入を試みた。その結果,ポリベンゾオキサジン単独硬化物に起こる軟化が確認されなくなり,ポリベンゾオキサジンとエポキシ樹脂の当量比1.0 : 0.3でCTEが47 ppm/Kを示し,P-d型ポリベンゾオキサジン単独の硬化物を上回る206℃のTgが得られた。さらに,多環芳香族系エポキシ樹脂を用いて変性を試みた結果,当量比1.0 : 0.5でTgは213℃の最大値を示した。また,ベンゾオキサジンの硬化促進剤として三フッ化ホウ素モノエチルアミン錯体(BTFMEA)を見いだし,硬化温度を200℃から180℃に低減させた。
  • 野口 祐智, 斎藤 之男, 角田 興俊, 富田 英雄
    原稿種別: 研究論文
    2011 年 14 巻 3 号 p. 212-219
    発行日: 2011/05/01
    公開日: 2011/11/10
    ジャーナル フリー
    今日の携帯電話に見られるように電子機器がますます小型化し,プリント配線板(PWB)にもより微細なものが求められている。さらに,この微細化への要求に加え,新しいパターン設計と電子部品の搭載技術は共に開発されなければならず,より正確な位置決め精度の重要性が増してきている。例えば,PWBのフレキシブル基板の多層化設計の統合へ進むなかで,配線幅が25 μmへと向かっている。本研究の目的は,PWBの正確な自動測定技術のニーズに答えることにある。従来のパターンマッチングによる画像処理検査や光学顕微鏡方式などの複雑な測定技術が必要であったが,われわれはこれらの自動測定技術にとって代わる新たな設計による測定法を確立したものである。今回の報告では,検査を行うためのプローブ形状と精度向上のための補正方法を示し,実験により150 μmまで細くしたPWBの欠陥を5%以内の精度で測定できることを示した。
講座「TSV基礎講座」第1回
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