抄録
われわれはAuワイヤボンディング可能な無電解Ni/Pd/Auめっきを半導体実装用基板に採用し,従来の電解Ni/Auめっきと同等のはんだボール接続部の耐衝撃性を確保してきた。本報告では,この技術を20 μmより狭い配線間隙をもつ次世代基板に適用するため,高速度はんだボールシア試験法を用いて耐衝撃性を確保できる無電解Niめっき皮膜の下限値を検討した。Sn–3Ag–0.5Cuのはんだボールを用い,ピーク温度252℃の窒素リフロー7回,または空気中150℃,1,000 hの熱処理での無電解Niめっき皮膜の下限値は1 μmであった。また,携帯機器の落下試験で生じる不良と同様の界面破壊の原因は,端子とはんだの界面近傍のボイドの形成と,金属間化合物の結晶粒の微細化であることを見いだした。