抄録
本研究では,3次元SiPに適用可能な,高熱伝導多層膜を使用したチップ面内の熱分散方法について検討した。100 μm厚のSiチップ裏面に10 μm厚の高熱伝導膜を直接形成したマイクロヒータ付き評価デバイスを作製した。ヒータに0.1 Jの熱量を8.5 msのパルスで与え,発生したホットスポットの時間的変化を測定したところ,高熱伝導膜を形成したチップは,通常のSiチップに比べ,ホットスポットのピーク温度上昇を27%低減できることを確認した。また,高熱伝導膜付きのチップは,16.6 m~100 ms幅のパルス加熱において,ホットスポット中央から1 mmの間のチップ面内温度差を20%以上低減できることを確認した。